# AIから「価値を生む仕組み」をつくる ― Deloitte USのAI責任者 Jim Rowan が語る企業AIの壁

- 番組: [DataFramed](https://ai-curator.jp/podcasts/shows/cmv3z5c1u00145o10683wm5ms)（DataCamp）
- 元のタイトル: #385 Creating an Engine of Value from AI | Jim Rowan, Head of AI at Deloitte USA
- 配信日: 2026年11月2日
- 長さ: 52分
- 要約作成日: 2026年11月2日
- トピック: [#エンタープライズAI](https://ai-curator.jp/topics/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BAAI) [#データ基盤](https://ai-curator.jp/topics/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%9F%BA%E7%9B%A4) [#AIエージェント](https://ai-curator.jp/topics/AI%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88) [#FinOps・トークンコスト](https://ai-curator.jp/topics/FinOps%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88) [#変革管理](https://ai-curator.jp/topics/%E5%A4%89%E9%9D%A9%E7%AE%A1%E7%90%86) [#Build vs Buy](https://ai-curator.jp/topics/Build%20vs%20Buy)
- URL: https://ai-curator.jp/podcasts/cmvz5yclw00004h11tona8cuj

## 要約

DataFramedにDeloitte USのHead of AI、Jim Rowanが登場し、約4,000組織を対象にした「State of AI in the Enterprise」調査をもとに、企業AIが停滞する理由を語った。データ基盤への投資不足、部分的な自動化によるボトルネックの移動、人と変革管理の軽視が主因だという。ビジネスケースの作り方、組織設計、リーダーシップ、トークンコスト管理、継続学習まで、実践的な論点が整理されている。

## ポイント

- Rowanは調査の見出しとして、企業はAIの拡大を語る一方で実装が追いついておらず、技術に注力するあまり人材や変革管理が軽視されていると述べている。
- 停滞の三大要因はデータ基盤への投資不足、プロセスの一部だけを自動化してボトルネックが移ること、人と変革管理の不足だと整理した。
- ビジネスケースは定量・定性の両面で作り、金額は点ではなく範囲で示し、モデルやトークン単価の変化に合わせて見直し続けるべきだと語った。
- 組織はorg chartからwork chartへと発想を変え、役割が圧縮されるチーム編成になると見る。CEO自身がAIを使い、物語を体現することが重要だという。
- アーキテクチャは固定せず、フロンティアモデルとオープンウェイトモデルを切り替えられる柔軟性を持たせる。build/buyでは、大企業の複雑さから多くは購入が合理的だという見方を示した。
- トークンコストはFinOpsの手法で可視化・予算化し、突然の利用停止は避けるべきだと述べた。プロセス再設計では「ステップを削除する」発想が鍵だという。

## 章立て

- [01:01] **調査で見えた企業AIの停滞** — 約4,000組織への調査から、AI導入は進むが実装と人への投資が遅れている点が語られる。
- [03:03] **AIが進まない3つの壁** — データ投資の不足、プロセスの部分自動化、人と変革管理という三つの課題を説明する。
- [05:12] **データ基盤とデータチームの変化** — マスターデータ管理やセマンティックレイヤー、データプロダクト化と、役割の統合が進む状況を述べる。
- [09:24] **変化に耐えるビジネスケース** — 定量・定性の両面や幅のある数字、モデルの進化に合わせた継続的な見直しの重要性を語る。
- [14:33] **組織設計とリーダーシップ** — work chartの考え方、エージェント管理の時間、CEOの率先垂範、CAIOの是非を議論する。
- [24:30] **柔軟なアーキテクチャとBuild vs Buy** — モデルを切り替えられる設計、ラボ機能、構築より購入が有利になりやすい理由を説明する。
- [30:30] **トークンコスト管理とeval** — ペルソナ別の予算、FinOps、CIOとCFOの連携、自分専用のevalの作り方を紹介する。
- [39:33] **プロセス再設計と継続学習** — ステップ削除の発想、AI導入・加速の伝え方、学習文化と最終アドバイスを語る。

## 解説記事

Deloitte USでHead of AIを務めるJim Rowanが、DataFramedで企業AIの現状と処方箋を語った。Rowanは、約4,000組織のリーダーを対象にした「State of AI in the Enterprise」の著者の一人である。多くの企業がAIに投資しながら価値創出に苦戦する理由と、その乗り越え方が議論の中心となった。

#### 調査が示す「技術偏重」の落とし穴

Rowanによると、調査の主な見出しは、AIの拡大を望む声は大きいのに、実際の実装が望ましい水準に追いついていないというものだ。背景には、技術には力を入れる一方で、人材や変革管理への注力が薄いという偏りがあるという。

停滞の要因として、彼は三つを挙げた。第一にデータへの投資不足である。AI導入後に、データ基盤の再構築やマスターデータ管理の整備に戻る企業もあるという。第二にプロセスの問題で、五つの工程のうち一部にだけAIを適用すると、全体は変わらず、むしろ新たなボトルネックが生まれる。第三に人と変革管理であり、これは一夜では終わらない継続的な取り組みだと述べている。

#### データ基盤とビジネスケース

データ面では、顧客や製品の定義が統一されているか、といった基本が改めて問われている。AIがチャットからエージェントへ進むと、データを読むだけでなく書き込みや取引の記録も扱うため、セキュリティやガバナンスの管理点も増える。Rowanは、データチームの役割が変わり、データエンジニア、AIエンジニア、プロダクトオーナーなどの役割が一人に集約される傾向があると述べた。また、データレイク中心からデータプロダクト中心へ、さらにセマンティックレイヤーへの投資へという流れも指摘した。以前の成果物はアクションを取りにくいダッシュボードだったが、今はエージェントが顧客対応を行うためのデータになり、投資の根拠を示しやすくなったという。

ビジネスケースについては、定量的な効果に加え、新しい顧客層への接点や分析量の拡大といった定性的な効果も盛り込むべきだとした。数値は「22.6」のような点ではなく「20〜30」のような範囲で示し、学習とともに絞り込む。トークン単価が変われば採算も変わるため、継続的な見直しが欠かせない。これには経営側がある程度のリスクを受け入れる姿勢も必要だと語っている。

#### 組織とリーダーシップ

Rowanは「org chart（組織図）」に対する「work chart（仕事の構造）」という見方を紹介した。雇用削減の話ではなく、仕事の編成を変える議論だという。ソフトウェア開発のようにポッド型のチームが広がり、アナリスト、設計者、エンジニア、テスターの役割が一人に集約されることもある。業務側がバイブコーディングで作ったデモを持ち込み、設計の議論を大きく短縮できるという例も挙げた。エージェントの稼働状況を確認する時間を、一日の中に確保する働き方も始まっているという。

リーダーシップについては、CEOやC-suiteが物語を語るだけでなく、自らAIを使って示すことが重要だと強調した。逆メンタリングも成果を上げているという。CAIO（最高AI責任者）の是非には、「量子が来たら最高量子責任者を置くのか」という例で疑問を呈した。AIの責任者を置くこと自体は重要としつつ、長期的にはCTO機能に吸収される可能性を示唆した。

#### 変化に強い設計、Build vs Buy、コスト管理

AIは半年で変わるため、設計は今日の技術だけを前提にしてはならない。Rowan自身も、独自に構築した直後に同種の市場製品が登場した経験があるという。そのため、ベンダーとのロードマップ共有や、新技術を試して報告するラボ機能が重要になる。アーキテクチャは固定せず、フロンティアモデルとオープンウェイトモデルを切り替えたり、組み合わせたりできる柔軟性が求められる。

Build vs Buyでは、競争優位に直結する領域は自作を検討し、それ以外は購入が合理的だと述べた。大企業は複数のSaaSやグローバルなデータセンターが絡み、セキュリティ管理も自前では負担が大きいからだ。プロトタイプはバイブコーディングで素早く作り、購入のコスト効率を検証する使い方が有効だという。

トークンコストについては、年初の「トークンを使い切る」風潮から、効果に見合うかを問う局面に移ったと語る。ペルソナ別の予算設定、ワークフローごとの入出力トークンの計測、クラウドのFinOpsの手法の応用を勧めた。突然の利用停止は変革を後退させるため避けるべきだとし、通常はモデルのデフォルト設定で十分で、高度なモデル選択は熟練ユーザーに任せるとよいとした。CIOはいわば社内の「AIファクトリー」を運営し、そのコストの配賦が事業部門とCFOの対話になるという整理も示した。自分専用のevalとして固定のプロンプト群を定期的に走らせることも勧めている。

#### プロセス再設計と学習文化

プロセス再設計では、Six Sigmaなどの枠組みは既にあるとしつつ、鍵は「工程を削除する」マインドセットだと述べた。レポート開発者だった自身の経験から、「そのレポートは誰が見るのか」を問うべきだという。最初から最も複雑な業務を狙うのではなく、端から端まで担える小さな業務で成功を重ねると連鎖が起きる。工程削減への理解にはリーダーの賛同と、心理的安全性の確保が不可欠だとした。

「change management」という呼び方は、受け身の印象を与えるためよくないとし、「AIの導入と加速」と捉え直すことを提案した。プロンプトの工夫を含め日常的に使い続けること、短い動画学習、AI利用を恥じず共有できる文化づくりが重要だという。

#### まとめ

この回の核心は、AIの成否はモデルの性能よりも、データ、プロセス、人、経営の関与といった組織側の準備に左右されるという点にある。日本企業でも、PoC止まりや部分的な自動化は共通の課題だろう。注目すべきは、ビジネスケースを幅のある数字で見直し続けること、アーキテクチャを固定しないこと、トークンコストをFinOps的に管理することの三点だ。最後にRowanは、まず小さく始め、リーダーが率先してAIを使うよう促している。

> この要約・解説記事は、元の音声の文字起こしをもとに AI（Claude）が日本語で作成したものです。出典: DataFramed「#385 Creating an Engine of Value from AI | Jim Rowan, Head of AI at Deloitte USA」
