# BI 248 アンドレア・ヒオット：心への「ナビゲーション的アプローチ」

- 番組: [Brain Inspired](https://ai-curator.jp/podcasts/shows/cmv3z5c3r001z5o1089gvhi58)（Paul Middlebrooks）
- 元のタイトル: BI 248 Andrea Hiott: The Navigational Approach to the Mind
- 配信日: 2026年10月21日
- 長さ: 1時間37分
- 要約作成日: 2026年10月21日
- トピック: [#神経科学](https://ai-curator.jp/topics/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%A7%91%E5%AD%A6) [#海馬](https://ai-curator.jp/topics/%E6%B5%B7%E9%A6%AC) [#計算論的メタファー](https://ai-curator.jp/topics/%E8%A8%88%E7%AE%97%E8%AB%96%E7%9A%84%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC) [#哲学](https://ai-curator.jp/topics/%E5%93%B2%E5%AD%A6) [#AI](https://ai-curator.jp/topics/AI) [#意識](https://ai-curator.jp/topics/%E6%84%8F%E8%AD%98)
- URL: https://ai-curator.jp/podcasts/cmvhnsx2o00014a0zr5ro0adn

## 要約

哲学者アンドレア・ヒオットが、新著『Holding Paradox』で提示する「ナビゲーション的アプローチ」について、司会ポール・ミドルブルックスと語った回。海馬の記憶研究と空間ナビゲーション研究という二つの歴史を題材に、二項対立を捨てずに矛盾を保持する姿勢を説明し、脳を計算機とみなす比喩の限界やAI観、意識論にも話が及ぶ。ミドルブルックスは、その主張を共有する共同体が実際にあるのかという懐疑も投げかけた。

## ポイント

- ヒオットは、脳を計算機とみなす比喩がもはや比喩でなく研究の前提になっていると考え、これに代わる枠組みとしてナビゲーション的アプローチを提案している。
- 「Holding Paradox」は中間や第三の立場ではなく、対立を否定せず位置による見え方の違いとして保持する姿勢だと説明する。海馬の記憶説と空間説の対立も、研究の進展に必要だったと位置づける。
- 実験はより具体的であるべきだと述べる。迷路のマウスなら何の中を動いているのか、文脈をどう計算的に表現するかを明示する必要があり、計算ツールはそのために使えるとする。
- 認知は生きた身体が環境と交換し整合し続ける活動であり、脳だけでは定義できないという立場を示す。この見方では、LLMは認知を行っているわけではなく、AIは「拡張知能」と呼ぶほうがよいかもしれないと語る。
- 意識も覚醒と地続きで、世界との整合を重ねた結果、自分の身体や規則性に気づくことだと説明する。
- ミドルブルックスは、本が既存の共同体を前提に書かれているように読めると指摘し、懐疑的な見方を示した。ヒオットは、公式の場には出ていなくても多くの分野に収束の兆しがあると応じた。

## 章立て

- [00:00] **イントロと本の楽観性** — ヒオットの紹介と、批判ではなく創造と楽観を軸にした本であることの確認。
- [05:21] **矛盾を保持するとは** — 心と身体の二分法を解くのでも否定するのでもなく、星座のように配置して開く姿勢を説明する。
- [07:37] **哲学者が神経科学へ進んだ経緯と海馬** — ベルリンでの学びと、幼少期の引っ越し経験から「動き」に関心を持ち海馬に至った経緯。
- [17:58] **計算論的メタファーへの異議** — 本の動機である、脳を計算機とみなす枠組みから、ナビゲーション的な見方への転換。
- [26:52] **対立と科学の進め方** — 記憶対空間の対立の意義、探索的研究との関係、実験をより具体的にする必要性を議論する。
- [43:25] **なぜ今か：AIと認知** — AI企業の使命文が前提とする認知観への批判と、LLMは認知か、生命と認知の関係についての議論。
- [1:09:27] **遠近法主義との違いと意識** — 因果の茂みなど遠近法主義との関係、保持という動詞的姿勢、意識についての見解。
- [1:25:38] **今後の仕事と共同体への疑問** — 次作『How to Be Alive』や今後の予定、共同体は実在するのかという問いに答える。

## 解説記事

神経科学の番組「Brain Inspired」第248回に、ハイデルベルク大学の哲学者アンドレア・ヒオットが登場した。新著『Holding Paradox: The Navigational Approach to Mind』をめぐり、司会のポール・ミドルブルックスと、脳を計算機とみなす発想に代わる見方を語り合っている。

#### 批判ではなく創造としての本

ミドルブルックスは、この種の本は批判的になりがちだが、本書は何かを創り出しており楽観的だと指摘した。ヒオットはこれを認め、自身は現状に冷静でありつつ、この本は楽観的だと述べている。自分の立場は中間でも第三の道でもなく、複数の分野が取り組む試みをつなげて見せたいのだと語った。

#### 「矛盾を保持する」とは何か

ヒオットによれば、これは心と身体といった古典的な対を解こうとも、違いを否定しようとも しない姿勢である。彼女はそれを「星座化（constellating）」と呼ぶ。たとえば目の前の相手が自分の「反対側」にいるのは事実だが、犬や別の人から見れば反対側は変わる。対比は本物でありながら、位置に依存した見え方だと理解することが要点だという。

題材は海馬だ。海馬には記憶の座という歴史と、認知地図・空間ナビゲーションの座という歴史がある。ヒオットは、両者の対立が研究を深めたのは確かで、この論争なしに現在の理解には届かなかったと強調する。ただしそこで止まる必要はないとも述べる。

#### 科学の進め方への示唆

ミドルブルックスは、探索的に膨大なデータを調べる研究スタイルと、仮説を立てて検証する伝統的なスタイルの違いに触れ、二項対立を捨てれば科学は停滞しないかと問うた。ヒオットは、立場を持つこと自体は避けられず「何でもあり」ではないと答える。そのうえで、記憶と空間の違いは認めつつ、どの位置・文脈でどんな動きを扱っているのか（概念空間か、感情空間か、迷路のラットか）をより具体的に特定すべきだと述べた。

さらに、迷路のマウスが実際に何の中を動いているのかを計算的に表現するなど、計算ツールを使って文脈を精密に扱う実験が可能になると考えている。ただし自分にはその技術的スキルがなく、力学系や数学の会議で専門家に働きかけているという。また、各研究室が異なる文脈で同じ結果を再現すべきだという前提にも疑問を示した。

#### 計算論的メタファーとAI

ヒオットは、脳は計算機ではなく計算もしていないと言い切る。計算そのものは愛しており、むしろ計算を脳のモデルとして使う限り、その可能性を使い切れていないと考える。OpenAI、Anthropic、DeepMindの使命文が人間並み以上の認知の構築を掲げていることにも触れ、認知が絶対的かつ十分に定義できるものとして扱われていると批判した。

彼女の考える認知とは、生きた身体が環境と交換し、環境に整合しながら自らを舵取りする活動である。この立場から、LLMが記号を操作するだけで認知をしているとは考えず、「拡張知能」と呼ぶほうがよいかもしれないと語った。本を読むとき、過去の経験に結びついた記号を通じて自分自身と交信するのと同様に、AIとの対話も説明できると見ている。ミドルブルックスは、認知と生命の関係には距離があるのではないかと疑問を投げかけ、小説を書くような高次の認知との隔たりも問題にした。ヒオットは、世界との整合という連続的な過程として説明できるので大きな断絶はないと応じた。

#### 遠近法主義、意識、共同体

ミドルブルックスが、複数の視点で複雑系を説明する遠近法主義との違いを尋ねると、ヒオットは両者は対立しないと答えた。保持（holding）は動詞であり、一つの正解があると思う限り複数視点の考えには開かれない、その前提となる態度だという。意識については、覚醒や覚醒度と切り離さず、世界との整合を重ねる中で自分の身体や規則性に気づくことだと説明している。

ミドルブルックスは、本があたかも既存の共同体を前提としているように読めると指摘し、自分は懐疑的だと述べた。ヒオットは、公開された論文にはまだ表れていなくても、多くの分野で二項対立を超える動きが見られ、AIをめぐる不安や意味の問い直しがその背景にあると答えた。次作『How to Be Alive』は2027年刊行予定だという。

#### まとめ

本回の主張は、計算の否定ではなく、計算を脳そのものの説明と取り違えない姿勢への転換にある。実験設計を具体的な文脈に即して見直すという提案や、AI企業の前提する認知観への疑問は、研究者にもAI開発者にも考えるきっかけを与える。一方で、共同体の実在やAIが認知を行うかどうかについては、司会者の懐疑が示されたとおり、まだ議論の余地がある。

> この要約・解説記事は、元の音声の文字起こしをもとに AI（Claude）が日本語で作成したものです。出典: Brain Inspired「BI 248 Andrea Hiott: The Navigational Approach to the Mind」
