# 計算速度で回すラボ・イン・ザ・ループ — Ian Quigley（Leash Bio）

- 番組: [Latent Space: The AI Engineer Podcast](https://ai-curator.jp/podcasts/shows/cmv3z5bz700015o10zwiyz4qc)（Latent.Space）
- 元のタイトル: Lab-in-the-Loop at Compute Speed — Ian Quigley, Leash Bio 
- 配信日: 2026年10月15日
- 長さ: 1時間49分
- 要約作成日: 2026年10月15日
- トピック: [#DNA Encoded Library](https://ai-curator.jp/topics/DNA%20Encoded%20Library) [#低分子創薬](https://ai-curator.jp/topics/%E4%BD%8E%E5%88%86%E5%AD%90%E5%89%B5%E8%96%AC) [#機械学習](https://ai-curator.jp/topics/%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E5%AD%A6%E7%BF%92) [#LLM エージェント](https://ai-curator.jp/topics/LLM%20%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88) [#強化学習](https://ai-curator.jp/topics/%E5%BC%B7%E5%8C%96%E5%AD%A6%E7%BF%92) [#データ品質](https://ai-curator.jp/topics/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%93%81%E8%B3%AA)
- URL: https://ai-curator.jp/podcasts/cmv8m0bmz00015s0zyf47jw6v

## 要約

Leash Bio の CEO Ian Quigley が、DNA コード化ライブラリ（DEL）で数十億規模の低分子―タンパク質結合データを集め、機械学習に使うまでの経緯を語った回。Kaggle コンペでの未知ライブラリへの汎化の失敗、ChEMBL に潜む「化学者の癖」の問題、Hermes モデルとポケット破壊変異による検証、そして LLM エージェントが SAR を探索するサンドボックスへの展開が語られる。データ品質への徹底したこだわりが一貫したテーマである。

## ポイント

- DEL は DNA バーコード付きの低分子を一度に混ぜて標的タンパク質で釣り上げ、配列解読で結合を読む手法。Leash は1分子に32〜48個のバーコードを付け、DNA 自体に結合するタンパク質による偽陽性を見分けている。
- Kaggle コンペでは約40億件の測定を公開したが、約2,000チームのうち未知の化学ライブラリでは誰も偶然以上の精度を出せず、問題が未解決であることが確認され、データ収集に注力する判断につながった。
- ChEMBL の分子から化学者を top-5 精度60%で当てられ、化学者確率ベクトルだけで活性予測しても構造と同程度の性能が出た。公開データは「社会学」を学習させかねないと Ian は述べている。
- 自社データのみで学習した Hermes は公開ベンチマークで Boltz と同程度の性能を示した。一方、注意マップからタンパク質の「あだ名」を記憶していると分かり、結合ポケットの変異体を大規模に作って再スクリーニングすることで改善を図った。
- 最近は LLM に自然言語で SAR を推論させ、650万分子のデータベースを予算100分子で探索させるエージェント環境に移行している。事実に根ざした強化学習の場として有望だと見ている。
- 競合に対する防御は、バッチ効果などの実験上の落とし穴を潰し続ける文化と忍耐にあるという。ルマカフトル類似の化合物がヒットする現象をタンパク質のミスフォールド検出に使う例も挙げた。

## 章立て

- [02:00] **DEL の仕組みと Leash の出発点** — DEL の原理、バーコードによる偽陽性対策、DNA タグの影響への考え方を説明。Recursion 出身者の文化にも触れる。
- [21:32] **低分子創薬の意義とスケール戦略** — 低分子と抗体の違い、毒性などの課題、多数のタンパク質を多数のライブラリで測る方針を語る。
- [28:00] **Kaggle コンペの設計と結果** — 難易度別の評価分割を設計し、未知ライブラリでは誰も偶然以上に届かなかった結果と、そこから得た教訓を説明。
- [40:00] **Hermes と評価の工夫** — ESM と ChemBERTa 系の埋め込みを cross-attention で結合した単純なモデルと、ブロック単位クラスタ分割による評価を紹介。
- [46:40] **化学者の癖と Clever Hans** — ChEMBL で化学者を予測できる問題と、モデルが物理でなく社会学を学ぶ危険性を議論。
- [56:00] **Boltz との比較とポケット破壊変異** — 自社データのみで公開データを予測した比較、変異体スクリーニングによる記憶対策と注意マップの分析。
- [1:17:00] **LLM エージェントのサンドボックス** — 自然言語で SAR を推論し、予算内で最良の結合体を探すラボ・イン・ザ・ループ環境と、その利点を説明。
- [1:26:00] **批判的質問と今後の展望** — DEL の限界、マウス PKPD、Kosuri パラドックス、競合への優位性、ミスフォールド検出、理想の解決策を議論。

## 解説記事

Latent Space の AI for Science 回に、Leash Bio の共同創業者兼 CEO である Ian Quigley が登場した。Leash は DNA コード化ライブラリ（DEL）で低分子とタンパク質の結合データを大規模に集め、機械学習に活用している。聞き手は RJ Haneke と Brandon Anderson。データの信頼性への執着と、LLM エージェントへの展開が主な話題である。

#### DEL と「トラウマ」を乗り越える工夫

DEL は、DNA バーコードを付けた膨大な低分子を一つの試験管に混ぜ、標的タンパク質を磁気ビーズに付けて浸し、釣り上げた分子の DNA を配列解読して結合を知る手法だ。Ian によれば、従来の試験管1本ずつの方式では最大級でも数百万分子だが、DEL では最大4,000億…ではなく、4京に迫る規模、すなわち番組では40兆分子のライブラリが作られた例があるという。

一方で DEL は偽陽性に悩まされる。タンパク質が薬ではなく DNA に結合してしまうからだ。Leash は同じ分子に32〜48種類のバーコードを付け、バーコード間で差が出れば DNA 側への結合と判断する。転写因子のように DNA に結合するタンパク質なら、既知の結合モチーフが回収できることで実験の健全性も確認できる。DNA タグ付きで測るので結合は実測だが、DNA を外した合成では、簡単な分子で約9割、難しいものでは約5割が機能するという。

Ian は、従来の DEL が難標的に1本ずつ大きなライブラリを当てる使われ方だったのに対し、Leash は多数のタンパク質を多数のライブラリで測り、ライブラリの癖を徹底的に把握していると述べる。ゲノミクス手法開発や Recursion での失敗経験が、機器や条件でモデルがズルをする経路を潰す姿勢につながったという。

#### Kaggle コンペが示したこと

Leash は約40億件の相互作用データを公開して Kaggle コンペを開いた。当時の BindingDB は300万件弱だったという。評価は、共有ビルディングブロックがある場合、共通の核（トリアジン）だけがある場合、全く別のライブラリの場合に分けた。約2,000チームが参加したが、最難関の未知ライブラリでは誰も偶然以上に届かなかった。SMILES という単純な文字列表現が、凝った表現より優れていたことも確認できた。

Ian は、co-folding が自社を不要にする可能性を約5%と見ていたが、そうならなかったと話す。問題の難しさを確認できたことが、データ収集を加速する判断につながった。また、10万規模ではなく小さめのライブラリを多数のタンパク質で測る方針を選んだ。化学の軸とタンパク質の軸の両方に多様性を持たせるためだ。

#### 公開データの落とし穴

Hermes は ESM のタンパク質埋め込みと SMILES ベースの化学埋め込みを cross-attention で結合した、あえて単純なモデルだ。評価では、ビルディングブロックをクラスタリングしてテストとの重複を避ける分割を使い、XGBoost の性能が分布の外に出るほど落ちる一方、Hermes は比較的安定していたと紹介された。自社データのみで学習し、公開データ約1,300万件のテストで Boltz と同程度の性能だったという。BRD4 の例では、Boltz が PDB で既に見ていたと思われる分子で Hermes が劣った。

興味深いのは ChEMBL の分析だ。1,815人の化学者の分子から、top-5 精度60%で作者を当てられた。さらに、化学構造を使わず「作者確率ベクトル」だけで活性を予測しても、構造を使う場合と同程度の性能が出た。Ian は、モデルが物理でなく化学者の癖や意思決定という「社会学」を学んでいると見る。分子量が強い予測因子になるのも、化学者が有望な分子ほど改良を重ねて重くするためだと説明した。Clever Hans の馬の逸話がその比喩として語られた。

#### ポケット破壊変異と記憶対策

Hermes の注意マップを調べると、結合ポケットではなく保存領域から外れた短い配列に注目しており、タンパク質の「あだ名」を覚えている可能性が見えた。そこで Leash は、競合阻害剤でポケットを確認した上で、残基を変異させてポケットを壊し、再スクリーニングする実験を大規模に行った。競合剤で消える化学シリーズが変異でも消えれば、そのポケットに入っていた根拠になる。他の結合は残るので、タンパク質全体が壊れたわけではないとも確認できる。こうした変異体でモデルを再学習し、注意が全体にまんべんなく向くようになったという。Ian は、現行の co-folding モデルがポケットを壊しても分子を元の場所に置く事例を挙げ、記憶の疑いを示した。

#### LLM による SAR 探索とラボ・イン・ザ・ループ

現在の注力は、オープンソース LLM に医薬化学を教え、構造や分子間の差を平易な英語で記述させ、結合体と非結合体から理由を推論させることだ。エージェントは10個の結合体と10個の非結合体を与えられ、100分子の予算で、650万分子のデータベースから実験を選び、結果を即座に得て仮説を更新する。因果的な活性崖を含むデータなので、推論トレースを大量に作れる。先週末だけで1万件以上のこうした探索を生成したという。Ian は、自然言語が記憶に対する正則化として働くと見ており、現実世界の実験ロボットを使う従来型のループより桁違いに速いと述べている。

#### 批判的な質問への応答

DEL の限界について Ian は、市販ビルディングブロックの多様性が課題だと認めた。ただ、近年は DNA に優しい炭素間結合などの化学が増え、不安定なアミド結合への依存は減っているとした。ライブラリは薬らしさを最適化して設計しており、あるシリーズでは DEL ヒットから6か月でマウスの良好な PKPD（炎症のサイトカイン指標）を得た。抗体で攻められているサイトカイン標的に対して、経口の低分子を狙う意義も語られた。

Kosuri パラドックス（データを集められるならモデルは要るのか）には、多様なデータで汎化できれば、標的ごとのスクリーニングを繰り返さず、農業や材料などにも広げられる可能性があると答えた。測定は約2,000構築物、約5,000回のスクリーニングに達するが、化学空間としては「全く足りない」と認める。KD の直接予測は未達で、相対順位は可能だという。

競合の追随を防ぐのは、バッチ効果の追跡などで失敗を潰し続ける文化だという。例として、ルマカフトルに似た化合物が複数のタンパク質で現れるのは、ミスフォールドの目印になるため、学習データから除外する指標にしていると説明した。理想の魔法として挙げたのは、低分子の大規模並列精製である。

#### まとめ

この回の核心は、規模と同じくらい測定の品質と評価の厳密さが重要だという点だ。公開データには作者の癖が入り込み、モデルが物理でなく社会学を学ぶ危険がある、という指摘は、化学以外の領域でデータを使う日本のエンジニアや研究者にも示唆が大きい。自社で取得した因果的なデータを、LLM エージェントの強化学習環境にする発想も注目に値する。なお、Ian の主張は番組内の自己申告であり、成果の外部検証は今後の論文やデータ公開で確認したい。

> この要約・解説記事は、元の音声の文字起こしをもとに AI（Claude）が日本語で作成したものです。出典: Latent Space: The AI Engineer Podcast「Lab-in-the-Loop at Compute Speed — Ian Quigley, Leash Bio 」
